Ⅰ はじめに


1 事業目標
(1) 児童生徒が災害について正しく理解し、学校・家庭・地域の防災活動において的確な安全確保行動をとるとともに、自他の命を守るために主体的に行動できる能力を身に付ける。
(2) 災害時における学校の役割を理解し、児童生徒の命を守るための対策・対応ができるよう、教員の資質を高める。
(3)  防災教育の取組を推進するため、拠点校に中核となる教員を位置付けるとともに、学校と地域との連携及び災害に対する専門家等からの指導・助言により、学校防災・地域防災の実践的な知識を習得する。
(4)  研究・検討を重ねることで、より効果的な防災教育の方法を構築し、その成果を町内の拠点校以外の学校に普及させる。

2 事業概要
 本町は、古い建物や空き家が多く、南海トラフ地震による家屋の倒壊、火災の被害が想定されており、また、拠点校が所在する地域は土砂災害の危険箇所が多い地域である。そのため、この地域の実態に応じた避難訓練等の取組を実施することで、土砂災害の多い他区地域の防災への取組に対して、先進的な事例となる取組を行う。モデル地域では、地震発生時の避難について、地域内の小中学校が地域と共同で避難訓練を行うことにより防災の取組の連携を推進する。また、地域内で防災カードや防災マップを作成し、児童生徒及び保護者の防災意識の啓発を図り、防災教育を通じて得られた成果と課題を基に、防災の専門家による指導等により教職員の研修を行い、中核教員の育成・資質向上を図る。この事業による地域との連携、防災教育の手法等を、成果発表会を通して広く周知し、他校への普及を図る。
 拠点校では、書籍やDVDを活用して、児童・生徒の知識を深めたり、防災カルテを作成したりするとともに、避難訓練、体験活動や学習会で得た知識を基に、防災マップを作成し、地域の特性を理解する。
 合同避難訓練においては、拠点校の小学校と中学校が離れているため、それぞれが地域住民と共同で行う予定である。本町は、すべての地域が島であり、児童生徒の避難場所が限られるが、災害の種類によって避難場所が異なるケースがある。管理職だけでなく、中核教員が中心となり、危機管理マニュアルの改善について共通理解を図っていく。また、中核教員は、研修で専門家から得た知識を各学校において児童生徒及び教職員へ周知する。
 この事業による地域との連携、防災教育の手法等を、成果発表会を通して広く周知し、他校への普及を図るとともに、この取組で得た体制が継続かつ進展していくようにする。また、県が主催する防災管理担当者研修会で取組成果を県内に周知する。